I-LAND イ・ヒスン準備生
(I-LANDは敢えて「練習生」「練習期間」という用語を避けてるフシがある。準備生or志願者、準備期間と呼ぶのだ。現時点で全員が無所属扱いだからってのもあるけど、数あるオーディションサバイバルと差別化したいんだろうなと思う)
ヒスンの第一印象は、
な、なんて真面目そうで、そして暗い、というか重いというか、思い詰めた雰囲気の子なんだ…君の未来はまだまだこれからだぞ元気出せ…て感じだった。
こういう子はたとえ実力があって有力候補に見えても何かがこじれて不調に突入したりすることもあるのでちょっと心配だった。
でもヒスンは強かった。いつでも冷静に、自分のことも周りのこともよくやっていた。いわゆる「人生何回目」みたいなエピソードもいっぱいあり、器の違いを見せつけてきた。
かたく見えた最初の印象もだんだんとほぐれてお茶目さが見えてきたし、回を追うごとに魅力を増していった。
そんなヒスンが、周りを心配させないヒスンが、ファイナルを目前に控えた11話でとても印象的な涙を流していた。ヒスンが自分自身のことであんなに弱々しく涙を流すのは初めて見た。
「アイドルとしてこういう(可愛らしい)曲もちゃんとこなしたかったのに」
「これができなきゃアイドルになれない」
ヒスンはそう言って絶望したように泣くのだ。
歌やダンスが下手だと言われたわけではなく、プロデューサー勢はそれほど酷評したわけじゃなかった。
ああ、この子は自分が許せないのか・・・・・と、そのレベルの高さに驚くとともに、
今回のコンセプトにこだわる姿勢に、「TXTになれなかった」という事実がヒスンの中に落とす影の大きさが見えた気がした。
これはただの推測なので決めつけたくはないけど、TXTでデビューできなかった要因をヒスン自身が考えたとき(とても賢くまじめな子なので相当悩み考えたんじゃなかろうか)、実力面よりもコンセプトへの適応力やアイドル性の面で引っ掛かることが多かったんじゃないだろうか。
BigHitの練習生になり弟グループの編成タイミングにも居合わせ、実力も認められていて年齢的にもぴったりだった。そんな、人生で一度きりであろう大きなチャンスをつかむことができなかった。
だから今回、幸運にもまためぐってきたチャンスでヒスンは、人より上手いとかそういうことを意識してる場合じゃないんだと思う。前回越えられなかった壁を越えられるか。以前は褒められなかったことで褒められるか。成長があるかどうか。
そんな中で、今回のコンセプトは絶対にうまくやろうと思って力を注いでいたはずで、
その結果、やはり指摘されたのは同じことだった。ヒスンにとってはまたも同じ壁にデビューを阻まれるような、恐怖に近い結果だったんじゃないだろうか。
こういうとき、「苦手だから」といって避けることは簡単だ。プロでも、得意なことしかやらない人はたくさんいる。それはリスクを避ける意味もあるわけで、決して悪いことではない。
でもこういうとき、逃げずに向き合い涙を流して苦しんでもそれを手に入れたいと強く願うヒスンは、間違いなく強い人だ。
おそらくI-LANDを見ていれば誰でも、これはヒスンのデビューを大前提としたプログラムだろうと察することができる。有力候補、以上の存在だ。もちろん最後は投票で決まるから絶対なんて存在しないけど、見る側も作る側も、誰もヒスン抜きでのグループを想定している人なんていないだろう。
肝心なのはいわゆる「圏内に入るか」ではなく、このオーディションを通してどう成長するかなのだ。とっくにその才能を認めたうえで、パンPDはヒスンに対して、もっともっと欲張りたいのだ。
ヒスン自身もそれをひしひしと感じながら挑んだプログラムだったに違いない。テストで1位になっても、ちっとも満足なんてしてられなかっただろう。
でもヒスンに言いたい。
この番組中に、完成したところまで見せなくたっていいと思うのだ。ヒスンは苦手と向きあい努力する姿勢を十分見せたと思うし、人の心を動かしているし、それさえあれば君への期待は今後も決して薄れたりしないだろう。
「ヒスンはこの先もっとすごくなる。」と、期待と信頼を寄せるに十分なパフォーマンスを最初から最後まで見せてくれた。常に最善を尽くしていた。
ヒスン大丈夫だ。君の思う「苦手」は、周りからみればもう「伸びしろ」に変わっている。
君のデビューは心配してない。今夜、君がずっと共にしていく仲間が決まったら、これからはその仲間と補い合いながら成長していけばいいのだ。
ヒスンは「アイドル」になれるよ!大丈夫!